マダムNの神秘主義的エッセー

神秘主義的なエッセーをセレクトしました。

23 ミクロス・ヴェトー(今村純子訳)『シモーヌ・ヴェイユの哲学―その形而上学的転回』から透けて見えるキリスト教ブランド

『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』に描かれたポワチエの城出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) 『シモーヌ・ヴェイユの哲学―その形而上学的転回』(今村純子訳、慶應義塾大学出版会、2006年)を読んだ。この本になっている作品は、ミクロ…

22 グレイ 著『ペンギン評伝双書 シモーヌ・ヴェイユ 』を読了後に

Pixabay - Free Images シモーヌ・ヴェイユの生誕100年ということで、フランシーヌ・デュ・プレシックス・グレイ著『ペンギン評伝双書 シモーヌ・ヴェイユ』*1が上梓された。 その秀才ぶり、哲学者アランとの邂逅と薫染、生来の美貌に異議を唱えるかのような…

21 息子と喧嘩して思い出した、妊娠中のある出来事

Pixabay - Free Images 息子とあることを話していて、意見にずれがあり、そのことで息子がひどく怒ってしまった。喧嘩をしたというより、ほぼ一方的な感じだ。 ちょっと人を食った顔つきに見えるけれど、人なつこいフランクな雰囲気を漂わせた普段の息子とは…

20 バルザックと神秘主義と現代

「バルザックと神秘主義と現代」は1998年に執筆し、ブログ「マダムNの覚書」で公開後、『気まぐれに芥川賞受賞作品を読む 2007 - 2012(Collected Essays, Volume 2)』「第二部 文学論」(Kindle版、2014年)に収録済みのエッセーである。作品の神秘主義的…

19 映画『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』を観て

『インディ・ジョーンズ』シリーズが大好なので、20年もの歳月を経たあとに公開された『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』*1は勿論観に行った。 Pixabay - Free Images 時は1957年の冷戦時代。イリーナ・スパルコ大佐率いる偽装米兵に拘束さ…

18 第44回総選挙のときに見た不吉な兆し

「映画『ヒトラー ~最期の12日間~』を観て―2005.10―」は、郵政解散といわれた衆院解散、小泉劇場、第44回総選挙といった、現代日本の大きな転換点となった一連の出来事の1ヶ月ほど後に執筆したエッセーである。 Eugène Delacroix,Liberty Leading the Pe…

17 映画『ヒトラー ~最期の12日間~』を観て―2005.10―

「映画『ヒトラー ~最期の12日間~』を観て―2005.10―」は2005年10月に執筆し、(江川義人編集、河津武俊発行)『日田文學 52号』(平成17)に掲載していただいたエッセー。 当ブログにおけるエッセー18との関連からここに収録した。 ヒトラーの君臨する第三…

16 フランス文学界の最高のオカルティスト、とブラヴァツキーにいわせたバルザック

娘がオノレ・ド・バルザック(私市保彦・木下祥枝訳)『動物寓話集 他』(水声社、2007年)を購入した。これで、「バルザック幻想・怪奇小説選集」の全5巻、娘は揃えたことになる。娘にはバルザックはどちらかというとフレグランス――情操の香水――の役目を果た…

15 最愛の子にブッダと呼ばれたガブリエラ・ミストラル――その豊潤な詩また 神智学との関わりについて

Pixabay - Free Images 抽象的な事柄を血肉化し、生きた事例として見せてくれる教科書として、世界の名作といわれるような文学作品に勝るものはない。 ただ巷で人間を眺めているだけでは、その人生まではなかなか見えてこないものだ。それを知るには、先人た…

14 嫌悪感と病気の関係、そして光の贈り物

〔2007年10月24日〕 春、夫にあるハプニングをもたらされてから、彼に対する信頼度がますます低下した。 とはいえ、それではやっていけないから、そこのところは普段は思い出さないようにしている。思い出しさえしなければ、愉快なパートナーでもあ…

13 十五夜に寄せて

毎日まだまだ暑くて、気分は夏なので、うっかりしてしまうところだった。今宵は十五夜である。 しっかり月を見なければ……空は白っぽい。果たして綺麗に見えるだろうか。 陰暦8月15日、中秋の月――1年中でこの夜の月が一番美しいとされ、俳句では、十五夜…

12 恩師の命日に

窓を開けていると、気持ちのよい風が室内に入ってくる。 Pixabay - Free Images 4月9日は、亡き神智学の先生のお誕生日で、11日の今日は命日である。先生のお棺はマーガレットでいっぱいだった。 今日は大好きだった先生のことばかり考えている。もっとも、…

11 心臓の発作のあとで想像した、この世からの旅立ち

雛祭りの日の早朝5時半頃、久しぶりにやや強めの狭心症の発作が起きた。 Pixabay - Free Images やはり、以前よりニトロ舌下錠の効き目が悪い気がした。 以前は、薬の効果が奔流のようにほとばしり、痛みという岩をあっという間に押し流してくれ、影も形も…

10 心臓の発作のあとで空想した、あの世のシステム

死後人間がどうなるかについては、わたしは神秘主義者なので、それなりの経験と知識から、少なくとも死んで1週間のあいだの人間がどんな状態に置かれるかをこちら側から描き尽くすことはできる(あちら側からの観点というのは、わかりようがない)。 だが、…

9 『テレプシコーラ』の千花から連想した『アルゴノオト』の井亀あおい

Pixabay - Free Images 『テレプシコーラ』第1部が完結した。この先、この物語がどのようなふくらみを見せるのか、想像もつかない。山岸凉子は凄い……本当に凄い! 同じ作者の同じバレエ漫画であっても、鋭さの中にも少女漫画らしいあまやかさを持った『アラ…

8 息子の夢と前世のわたし

まだ高校生だった息子がわたしの夢を見たといって、こんな話をしてくれたことがあった。 Pixabay - Free Images そこは昔のインドか中国かというような土地で、わたしは白い牛に跨り、上半身は裸。どこかへ行こうとしていたそうだ。息子は旅の途中の商人だっ…

7 惑星について

まだ国際天文学連合(IAU)総会で新定義として提案された段階ではあるけれど、太陽系の惑星が一挙に3つ増えるかもしれないという新聞記事を読み、楽しい気分になった。 その3つの惑星とは、太陽から遠い順からいって、冥王星より大きい「2003UB313」、…

6 死者の行動について、ちょっとだけ

お盆ということで、帰省しているかたも多いのではないだろうか。 お盆は、死者たちを話題にするにはふさわしい。とはいえ、お盆に、死者たちはどうするのか、どんな行動をとるのかを、わたしは知らない。 わたしが知っているのは、死んだあと初七日までのあ…

5 自己流の危険な断食の思い出

病気のために、外食や弁当に頼ることもしばしばだが、食事というものの重要さは、わたしなりにわかっているつもりだ。というのも、大学生だったときに、自己流の断食を試みたことがあるからで、その体験を通して身に沁みてわかったことがあったのだった。 た…

4 イエスの弟子マリアについて、ちょっとだけ

☆インデックス ジオット・ディ・ボンドーネ、マルセイユへの旅「マグダラのマリア伝」(マッダレーナ礼拝堂) ダン・バースタイン編「ダ・ヴィンチ・コードの真実」(沖田樹里亜訳、竹書房)を読もうと思っているのだが、イエスの弟子にマリアという人がいて…

3 精神安定剤の思い出

☆インデックス Pixabay - Free Images 鬱病・パニック障害・境界型人格障害をセットとした診断名を持つ患者のブログが多いことに驚く。眠剤を常用している人のブログが多いことにも驚く。 わたしが少女の頃だから、もう32年も昔の話になるが、その頃は神経症…

2 マザコンのバルザック?

☆インデックス Free Images - Pixabay 母親のことを大層冷たく書くバルザックは、実は自分でも意識していないマザコンだったのではないだろうか。この部分に光を当てた評論は見当たらず、バルザックが母親に与えた評価(酷評)がそのまま罷り通っている。母…

1 文学賞落選、夢の中のプードル

☆インデックス Pixabay - Free Images 作家の卵を続けてきて、35年目に入った。処女作は中学1年生のときに書いた『太陽のかがやき』という題名のジュニア小説だった。そのとき、もう作家になった気分でいたものだ。肉体はもう壊れかけているというのに、その…

☆インデックス

0 当ブログについて 1 文学賞落選、夢の中のプードル 2 マザコンのバルザック? 3 精神安定剤の思い出 4 イエスの弟子マリアについて、ちょっとだけ 5 自己流の危険な断食の思い出 6 死者の行動について、ちょっとだけ 7 惑星について 8 息子の夢と前世のわ…

0 当ブログについて

当ブログは、神秘主義的観点から執筆したエッセーをセレクトしたものです。 文学に傾倒してきたので、文学に触れたエッセーが多いのですが、当ブログのエッセーは神秘主義的考察に主眼を置いているため、文学的観点からのアプローチとは作風が異なっているか…