マダムNの神秘主義的エッセー

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53 ブラヴァツキー夫人の神智学を誹謗中傷する人々 ④ 浮かび上がる反日・在日問題、新興キリスト教問題、ヒプノセラピー(催眠療法)問題

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アメリカ、アリゾナ州の化石の森国立公園
出典:Pixabay

わが国でブラヴァツキー夫人をバッシングしている記事を調べることで、バッシングしている人々の利害関係と目的が明らかになるはずである。調べているうちに、三つの問題が浮かび上がってきた。

一つ目は、オウム真理教事件から本来は最も色濃く浮かび上がってくるはずの反日・在日問題である。この問題から世間の目を逸らす意図が、ブラヴァツキーバッシングにはあるのではないか。

エッセー40ブラヴァツキー夫人の神智学を誹謗中傷する人々 ②三浦関造の雛たちに危いまなざしを向ける人」でも書いたように、オウム真理教は、中共のような思想弾圧している一党独裁国家ではない、憲法第20条で信教の自由を規定した日本国において反日テロを起こすという重大な思想的問題を孕んでいた。

戦後の日本は反日・在日問題で苦しんできたが、そのことを一般人が漸く知り始めたのは民主党政権以降である。

オウム真理教の宗教的側面が強調され、今なおブラヴァツキー夫人の神智学や三浦関造と関連づけようとする動きがあるのは、反日・在日問題から目を逸らす意図があるのではないかとわたしは疑っているのである。

前掲のエッセー40 でわたしは書いた。

天皇をメシア信仰と位置づける日本人は珍しい。在日コリアン帰化人、あるいは左派にはそうした解釈を時々見ることがあるが……

こうした普通の日本人にはおよそ考えつかないような意味づけがわたしの仮説に有利な情報を提供してくれたような気がしているが、如何であろうか。

どれほど宗教的に暴走したところで、普通の日本人には反日テロを起こさなければならない理由がないから、わたしには反日・在日問題としか考えようがなく、在日外国人の方々に対する偏見からではない。

二つ目は、新興キリスト教問題である。ブラヴァツキー夫人の神智学は彼らの布教の邪魔になるようだ。

ブラヴァツキーバッシングを行っているブログを多く閲覧したが、昔ながらの品のよいキリスト教信者の思考回路ではおよそ考えつかないと思えるような奇怪なことが書かれていたりする。

わたしは若いころキリスト教に関心があったし、キリスト者の知り合いもいるので、昔ながらのキリスト者たちではないと思うのである。コリアン系キリスト教会が増えているようであるが、そのことと関係があるかどうかはわからない。

三つ目はヒプノセラピー催眠療法)問題である。

ヒプノセラピーを広めるのにブラヴァツキー夫人の神智学が邪魔になるのか、なくすのに邪魔になるのかはわからないが、ブラヴァツキーバッシングにはちょくちょくこのヒプノセラピーが出てくる。

催眠術を奨励する神秘主義者などいない。偽神秘主義者はこの限りではない。

催眠術は神秘主義では黒魔術である。ブラヴァツキー夫人は、催眠術という「強い意志力をもった者が、心の弱い者を一種のトランス状態に入れるブロセス」は「神経の流体の流れを妨げるので、道徳的にも肉体的にもたいへん危険なことである」*1と警告している。

 

マダムNの覚書、2016年6月 2日 (木) 23:51

*1:H・P・ブラヴァツキー『神智学の鍵』田中恵美子訳,神智学協会ニッポン・ロッジ,1995改版,用語解説p.32-33