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まだ国際天文学連合(IAU)総会で新定義として提案された段階ではあるけれど、太陽系の惑星が一挙に3つ増えるかもしれないという新聞記事を読み、楽しい気分になった。
その3つの惑星とは、太陽から遠い順からいって、冥王星より大きい「2003UB313」、冥王星の衛星とされていた「カロン」、小惑星とされていた火星と木星との間にある「セレス」である。
なお、冥王星とカロンは、これまでのような惑星と衛星の関係ではなくなり、2つの星が周回し合う二重惑星ということになるのだそうだ。
ここで、わたしが思い出したのが、ブラヴァツキーの『シークレット・ドクトリン 宇宙発生論(上)』の中にある奇妙な記述であった。
本当の東洋のオカルティストならば、太陽系には未発見の惑星は沢山あるが、海王星は太陽と明らかに関係があり、その影響を受けるにもかかわらず太陽系に属するものではない、と主張するであろう。東洋のオカルティストたちによると、海王星と太陽の関係はマーヤ的なもの、即ち想像上のものであるという。*1
これは、どういうことなのか。海王星は巨大なガス惑星で、太陽から非常に遠く、肉眼では決して見えない惑星として知られているが、太陽系に属しないだなんて。冥王星には惑星ではないという議論があるようだが。
彼女は1891年に亡くなっているので、そのとき、まだ冥王星は発見されていなかった。もし彼女の存命中に冥王星が発見されていたとしたら、それについてはどういったのだろうか。
海王星に関する彼女のこの言葉は、古代の東洋の聖典につけられた注釈のごく小さな一部分である。『シークレット・ドクトリン』は難解な著書で、わたしなどにはうまく理解できない記述も多いが、この著書の傾向から見て、海王星に関する記述は、惑星の物質的な側面にとどまらない、霊的本質にまで踏み込んだものであるに違いないと思われる。
単純に嘘だといえないのは、こうした書きかたがされているからなのだ。
いずれにしても、星々に想いを馳せていると、体の不調なんて忘れてしまう。
〔追記〕
「二重天体」としての冥王星とカロン(右下)。地球と月の組(左上)も示した。それぞれの天体間の距離は正しくないが、大きさの比率は正しく描かれている。
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1930年にクライド・トンボーによって発見され、太陽系第9惑星とされていた冥王星。2006年14日から25日までチェコのプラハで開かれていた国際天文学連合の総会で「惑星の定義」が採択され、冥王星は準惑星に分類された。
マダムの覚書、2006年8月19日 (土) 07:45