マダムNの神秘主義的エッセー

神秘主義的なエッセーをセレクトしました。

41 個人を取り巻いているオーラの質

インデックス

f:id:madame-nn:20130211125146j:plain

Free Images - Pixabay

H・P・ブラヴァツキー(ボリス・デ・ジルコフ編纂, 老松克博訳)『ベールをとったイシス  第1巻 科学 下 』(竜王文庫、平成27年)によると、霊媒性はその個人を取り巻いているオーラの質でわかるという。

霊媒性は,その人を取り巻いているオーラの質でわかる。それは清浄な霊にとって,見通しがきかず, 霞んでいて,有害,有毒,不愉快であり,それを喜ぶ汚らわしい諸存在ばかりを引きつけるかもしれない。鰻が濁った水を喜ぶのと同じように,である。そうでなければ,朝露のように,清浄で,透き通り,澄んでいて,乳白色を発するかもしれない。(……)アポロニウス,イアンブリコス,プロティノスポルフィリオスといった人たちのまわりには,この天上的な後光が集まっていた。それは彼らの霊とぴたりと調和した彼ら自身の魂の力によって進化してきた。*1

f:id:madame-nn:20160110170435j:plain

Head in white marble. Ostia Antica, Museo, inv. 436. Neck broken through diagonally, head broken into two halves and reconstructed. Lower half of nose is missing. One of four replicas which were all discovered in Ostia. The identification as Plotinus is plausible but not proven.
10 February 2007
Ostiense Museum, Ostia Antica - ROME, Italy
出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

わたしもそう思う。オーラと呼ばれる放射物から個人の霊的進歩状況や思想的傾向を読むことがわたしにはあるからで、これは対象が生者死者、人間であるなしを問わず使える判断材料である。

ただ、オーラの卵の状態は、その個人の高級我が自ら開示してくれる場合にのみ、その許された範囲内において、観察可能なのではないかとわたしは考えている。*2

本などにも、執筆者や口述者、あるいは翻訳者などのオーラが沁み通る。

わたしは大学時代に初めてプロティノスの本を読んだときから、読むたびに本から放たれている純白なオーラの美しさに恍惚となってしまう。*3

それは読者であるわたしの内的な源泉を刺激して、わたしからも純白な放射物を引き出す。室内は光の交響曲でいっぱいになる。このような読書がどれほどすばらしいか、その逆に霞んだ、有害、有毒な放射物を撒き散らしている本をわたしのような神秘主義者がどれほど怖れ、苦痛に思うか、わかっていただけるだろうか。*4

*1:ブラヴァツキー、老松訳、平成27、p.630

*2:エッセー29「わたしが観察したオーラと想念形体、そしてプライバシーに関わると考える他人のオーラ」を参照されたい。

*3:エッセー37「シネマ『アレクサンドリア』 ②ヒュパティアが属した新プラトン派」及びブログ記事「Kindle版アレクサンダー・ワイルダー『新プラトン主義と錬金術: 神智学の起源をたずねて』(堀江聡訳)を読んで」(マダムNの覚書,2015年4月16日15:53公開)中、次の部分を参照されたい。「プロティノスは『世界の名著 続2 プロティノス ポルピュリオス、プロクロス』(編集責任 田中美知太郎、中央公論社、昭和51年)で読んだだけだが、本を開いたとたんにまばゆい光のシンフォニーがこぼれてくるような、美々しさ、幸福感に満ちている。(……)時々本を開きたくなり、断片的には読み返してきたが、全体を通して読んだのは37年くらいも昔なので、通して読み返したくなった」

*4:エッセー35「本もオーラを放っている」を参照されたい。