マダムNの神秘主義的エッセー

神秘主義的なエッセーをセレクトしました。

18 第44回総選挙のときに見た不吉な兆し

f:id:madame-nn:20181017071402j:plain

ウジェーヌ・ドラクロワ民衆を導く自由の女神,1830
出典:Wikimedia Commons

神秘主義者のわたしは第44回総選挙のとき、空間に赤く不吉に輝く星のような赤い光を見た。

エッセー 17「映画『ヒトラー ~最期の12日間~』を観て―2005.10―」は、郵政解散といわれた衆院解散、小泉劇場、第44回総選挙といった、現代日本の大きな転換点となった一連の出来事の1ヶ月ほど後に執筆したエッセーである。

英語で書かれたブラヴァツキーの『シークレット・ドクトリン』をロシア語に訳したヘレナ・レーリッヒ(1879 - 1955)*1は、透視力の持ち主に見える――わたしもしばしば見るが――空間に出現する光について、いろいろと解説している。日本アグニ・ヨガ協会訳で、ここにその断片を引用する。

大抵黒い点は暗黒、又は混沌的なエネルギーの接近を意味する。その場合、万事に注意したほうが良い。だから私は小さな黒い点を見ると、それらが度々、困難の来ることを示したり、又は健康について警告していることを知るのである。点が大きければ大きい程、多ければ多い程、もっと注意を払うべきである。時々、空間の中を泳いでいる大きなビロードのような黒い点を見ることができる。紫、青、銀色、そして金色の点は、いつもよい使者たちであり、あるいは師匠のご放射が近いことを示すものである。黄色の点は、危険の警告である。赤い点は、大気の中の大変な緊張を示し、その時、地震や嵐や革命さえも予期できる。

わたしは自身の体験から、レーリッヒの解釈に共鳴せざるをえないが、ただ赤い点だけは、そのときまで一度も見たことがなかった。自然災害の徴だろうか、と思ったが、自然災害に関連して赤い点を見たことはなく、自然災害を予知したこともなかった。
そんなわたしにとっては否定しようもないありありとした見えかたで赤い点を見たということは、よほどの大惨事につながる自然災害が襲いかかってくるのではないかと怯えた。
でも、あれは今思えば、革命を予知したものだったと思える。
あの郵政解散以後、わが国に起こったことはまさに革命に匹敵する。何か冗談のように進行した出来事だっただけに、その自覚ができにくかったというだけの話ではないだろうか。
エッセー「映画『ヒトラー ~最期の12日間~』を観て―2005.10―」を書いたとき、わたしはその赤い点のことを思い浮かべていたわけではなかった。だが、大きな危機感を覚えて、まとまった文章にしておきたいと思ったのだった。
そして、赤い点のことも個人的な神秘主義的記録として残しておきたいと思い、この短いエッセーとなった。

 

マダムN 2008年5月17日 (土) 20:31

*1:ヘレナ レーリッヒ(Helena Roerieh) 1979~1955.アグニ ヨガの教えの伝達者。アグニ ヨガの母といわれる。1879年2月16日,ロシアの貴族の家系にエレナ イワノヴナとして生まれる。父は建築家。幼年期,母の妹,プチャチン王女の別荘に過ごす。並外れて感受性が豊かで動物と語らい,又,聖書や哲学の本に親しみ,音楽,絵に対するすばらしい才能もあった。1901年,ニコラス レーリッヒと結婚し,共に考古学の旅をする。その後,ペテルスブルグに定住し,二人の男の子の母となる。この時期に東洋哲学の研究を続ける。1920年代に入って,レーリッヒ夫妻はモリヤ大師から,後にアグニ ヨガの叢書として編集された指示を受け始めた。この指示の多くは,夫妻が,アメリカで自分達のまわりに集めた若い弟子たちに話された。1923年からの中央アジア探検に同道した彼女は沢山な恐ろしい試練に耐えた。“アグニ・ヨガの母の上首尾の結果は,人類の新しい一歩を示すこの教えの伝達を可能にした。探検が終わった1928年,「アグニ ヨガ」という本が出版された。(以下略).竜王会東京青年部編『総合ヨガ用語解説集』竜王文庫、1980、「ヘレナ レーリッヒ(Helena roerich)1979~1955」pp.78-79より抜粋