マダムNの神秘主義的エッセー

神秘主義的なエッセーをセレクトしました。

初出:b覚書,2006

10 心臓の発作のあとで空想した、あの世のシステム

出典:Pixabay 死後人間がどうなるかについては、わたしは神秘主義者なので、それなりの経験と知識から、少なくとも死んで1週間のあいだの人間がどんな状態に置かれるかをこちら側から描き尽くすことはできる(あちら側からの観点というのは、わかりようが…

9 『テレプシコーラ』の千花から連想した『アルゴノオト』の井亀あおい

出典:Pixabay 『テレプシコーラ』第1部が完結した。この先、この物語がどのようなふくらみを見せるのか、想像もつかない。山岸凉子は凄い……本当に凄い! 同じ作者の同じバレエ漫画であっても、鋭さの中にも少女漫画らしいあまやかさを持った『アラベスク』…

8 息子の夢と前世のわたし

まだ高校生だった息子がわたしの夢を見たといって、こんな話をしてくれたことがあった。 出典:Pixabay そこは昔のインドか中国かというような土地で、わたしは白い牛に跨り、上半身は裸。どこかへ行こうとしていたそうだ。息子は旅の途中の商人だったとか。…

7 惑星について

出典:Pixabay まだ国際天文学連合(IAU)総会で新定義として提案された段階ではあるけれど、太陽系の惑星が一挙に3つ増えるかもしれないという新聞記事を読み、楽しい気分になった。 その3つの惑星とは、太陽から遠い順からいって、冥王星より大きい「…

6 死者の行動について、ちょっとだけ

出典:Pixabayお盆ということで、帰省しているかたも多いのではないだろうか。 お盆は、死者たちを話題にするにはふさわしい。とはいえ、お盆に、死者たちはどうするのか、どんな行動をとるのかを、わたしは知らない。 わたしが知っているのは、死んだあと初…

5 自己流の危険な断食の思い出

出典:Pixabay 病気のために、外食や弁当に頼ることもしばしばだが、食事というものの重要さは、わたしなりにわかっているつもりだ。というのも、大学生だったときに、自己流の断食を試みたことがあるからで、その体験を通して身に沁みてわかったことがあっ…

4 イエスの弟子マリアについて、ちょっとだけ

ジオット・ディ・ボンドーネ、マルセイユへの旅「マグダラのマリア伝」(マッダレーナ礼拝堂)出典:Wikimedia Commons ダン・バースタイン編「ダ・ヴィンチ・コードの真実」(沖田樹里亜訳、竹書房)を読もうと思っているのだが、イエスの弟子にマリアとい…

3 精神安定剤の思い出

出典:Pixabay 神経症(心因性頻尿)と共に過ごした中・高校時代 悪癖を断つ 神経症になったきっかけ及び高校卒業以降 神経症になったハムスター つらかった時代に没頭した詩作 神経症(心因性頻尿)と共に過ごした中・高校時代 鬱病・パニック障害・境界型…

2 マザコンのバルザック?

出典:Pixabay 母親のことを大層冷たく書くバルザックは、実は自分でも意識していないマザコンだったのではないだろうか。この部分に光を当てた評論は見当たらず、バルザックが母親に与えた評価(酷評)がそのまま罷り通っている。母親宛の書簡から、バルザ…

1 文学賞落選、夢の中のプードル

出典:Pixabay 作家の卵を続けてきて、35年目に入った。処女作は中学1年生のときに書いた『太陽のかがやき』という題名のジュニア小説だった。そのとき、もう作家になった気分でいたものだ。肉体はもう壊れかけているというのに、その気分だけが今もぬくぬく…