マダムNの神秘主義的エッセー

神秘主義的なエッセーをセレクトしました。

30 テレパシーといわれるような体験から思うこと

Pixabay - Free Images わたしはエッセー28 で自身の未熟な、いわゆるテレパシー体験について、日記体小説『詩人の死』で書いた断片を引用した。 神秘主義ではよく知られていることだが、霊的に敏感になると、他の生きものの内面的な声(思い)をキャッチし…

29 わたしが観察したオーラと想念形体、そしてプライバシーに関わると考える他人のオーラ

出典:Pixabay わたしの目の前に、図書館から借りたジョルジュ・サンド*1の『ちいさな愛の物語』*2がある。 この中に「バラ色の雲」があるのを知ったからだが、昔読んだ気がして読んでみたくなったのだった。 ジョルジュ・サンド(1864年、ナダールによる肖…

28 二つの神智学協会(追記:初めてヘレナ・レーリッヒの写真を見て)

出典:Pixabay 「ネオ神智学」という用語を、無知なわたしは昨日知った。 清廉潔白なシャッジという観点からの批判用語「ネオ神智学」 ベサントのアディヤール派とジャッジのポイント=ローマ派 神秘主義的体験者の実用書としての神智学文献 追記:初めてヘ…

27 もう一つの世界への扉であるような作品を書いていきたい

出典:Pixabay同じこの世を生きていても、あの世を視野に入れて生きる人と、この世でうまく生きることだけを考えて生きる人とでは、生き方がずいぶん違ってくることだろう。 そのいずれの場合にも段階が細かくあって、生き方は多種多様だ。同じ人間に見えて…

26 ブラヴァツキー夫人の神智学を誹謗中傷する人々 ①ブラヴァツキー夫人とオウムをくっつける人

ウィキペディア日本語版の「神智学」「神智学協会」はひどい書かれ方をしている。あれではないほうがましなくらいだ。 出典:Pixabay コリン・ウィルソン(Colin Wilson,1931 - 2013)、ルネ・ゲノン(René Jean Marie Joseph Guénon, 1886 - 1951)は確た…

25 ブラヴァツキー批判の代表格ゲノンの空っぽな著作『世界の終末―現代世界の危機』

出典:Pixabay エッセー 24 「ルネ・ゲノンからシモーヌ・ヴェイユがどんな影響を受けたかを調べる必要あり」で、シモーヌ・ヴェイユが学友でシュルレアリストであったルネ・ドーマルと共にルネ・ゲノンの著作の愛読者だったという情報を紹介した。 そうだと…

24 ルネ・ゲノンからシモーヌ・ヴェイユがどんな影響を受けたかを調べる必要あり

出典:Pixabay 22 グレイ著『ペンギン評伝双書 シモーヌ・ヴェイユ 』を読了後に23 ミクロス・ヴェトー(今村純子訳)『シモーヌ・ヴェイユの哲学―その形而上学的転回』から透けて見えるキリスト教ブランド24 ルネ・ゲノンからシモーヌ・ヴェイユがどんな影…

23 ミクロス・ヴェトー(今村純子訳)『シモーヌ・ヴェイユの哲学―その形而上学的転回』から透けて見えるキリスト教ブランド

『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』に描かれたポワチエの城出典:Wikimedia Commons 22 グレイ著『ペンギン評伝双書 シモーヌ・ヴェイユ 』を読了後に23 ミクロス・ヴェトー(今村純子訳)『シモーヌ・ヴェイユの哲学―その形而上学的転回』から透けて見える…

22 グレイ 著『ペンギン評伝双書 シモーヌ・ヴェイユ 』を読了後に

出典:Pixabay 22 グレイ著『ペンギン評伝双書 シモーヌ・ヴェイユ 』を読了後に23 ミクロス・ヴェトー(今村純子訳)『シモーヌ・ヴェイユの哲学―その形而上学的転回』から透けて見えるキリスト教ブランド24 ルネ・ゲノンからシモーヌ・ヴェイユがどんな影…

21 息子と喧嘩して思い出した、妊娠中のある出来事

出典:Pixabay 息子とあることを話していて、意見にずれがあり、そのことで息子がひどく怒ってしまった。喧嘩をしたというより、ほぼ一方的な感じだ。 ちょっと人を食った顔つきに見えるけれど、人なつこいフランクな雰囲気を漂わせた普段の息子とはまるで別…

20 バルザックと神秘主義と現代

「バルザックと神秘主義と現代」は1998年に執筆し、ブログ「マダムNの覚書」で公開後、『気まぐれに芥川賞受賞作品を読む 2007 - 2012(Collected Essays, Volume 2)』「第二部 文学論」(Kindle版、2014年)に収録済みのエッセーである。作品の神秘主義的…

19 映画『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』を観て

出典:Pixabay クリスタル・スカル(水晶髑髏)とスターリンの秘蔵っ子 スパルコ大佐の目に雪崩れ込む、宇宙の膨大な歴史 映画に描かれた核実験の軽さ、アメリカのロマンティシズム インディと友人だったという設定のクリシュナムルティ クリスタル・スカル…

18 第44回総選挙のときに見た不吉な兆し

ウジェーヌ・ドラクロワ,民衆を導く自由の女神,1830出典:Wikimedia Commons 神秘主義者のわたしは第44回総選挙のとき、空間に赤く不吉に輝く星のような赤い光を見た。 エッセー 17「映画『ヒトラー ~最期の12日間~』を観て―2005.10―」は、郵政解散とい…

17 映画『ヒトラー ~最期の12日間~』を観て―2005.10―

「映画『ヒトラー ~最期の12日間~』を観て―2005.10―」は2005年10月に執筆し、(江川義人編集、河津武俊発行)『日田文學 52号』(平成17)に掲載していただいたエッセー。 当ブログにおけるエッセー18との関連からここに収録した。 1925年に発行されたアド…

16 フランス文学界の最高のオカルティスト、とブラヴァツキーにいわせたバルザック

出典:Pixabay 娘がオノレ・ド・バルザック(私市保彦・木下祥枝訳)『動物寓話集 他』(水声社、2007)を購入した。これで、「バルザック幻想・怪奇小説選集」の全5巻、娘は揃えたことになる。娘にはバルザックはどちらかというとフレグランス――情操の香水――…

15 最愛の子にブッダと呼ばれたガブリエラ・ミストラル――その豊潤な詩また 神智学との関わりについて

出典:Pixabay 抽象的な事柄を血肉化し、生きた事例として見せてくれる教科書として、世界の名作といわれるような文学作品に勝るものはない。 ただ巷で人間を眺めているだけでは、その人生まではなかなか見えてこないものだ。それを知るには、先人たちが心の…

14 重厚な通奏低音が聴こえてくる、ブッツァーティ『タタール人の砂漠』

出典:Pixabay 『タタール人の砂漠』は20世紀イタリア文学を代表する作家の一人ディーノ・ブッツァーティ・トラヴェルソ(Dino Buzzati-Traverso,1906 - 1972)を一躍有名にした作品である。 タタール人の砂漠ブッツァーティ (著), 脇 功 (翻訳) 出版社: 岩…

13 十五夜に寄せて

出典:Pixaba 毎日まだまだ暑くて、気分は夏なので、うっかりしてしまうところだった。今宵は十五夜である。 しっかり月を見なければ……空は白っぽい。果たして綺麗に見えるだろうか。 陰暦8月15日、中秋の月――1年中でこの夜の月が一番美しいとされ、俳句では…

12 恩師の命日に

出典:Pixabay 窓を開けていると、気持ちのよい風が室内に入ってくる。 4月9日は、亡き神智学の先生のお誕生日で、11日の今日は命日である。先生のお棺はマーガレットでいっぱいだった。 今日は大好きだった先生のことばかり考えている。もっとも、そうでな…

11 心臓の発作のあとで想像した、この世からの旅立ち

出典:Pixabay 雛祭りの日の早朝5時半頃、久しぶりにやや強めの狭心症の発作が起きた。 やはり、以前よりニトロ舌下錠の効き目が悪い気がした。 以前は、薬の効果が奔流のようにほとばしり、痛みという岩をあっという間に押し流してくれ、影も形もないまでに…

10 心臓の発作のあとで空想した、あの世のシステム

出典:Pixabay 死後人間がどうなるかについては、わたしは神秘主義者なので、それなりの経験と知識から、少なくとも死んで1週間のあいだの人間がどんな状態に置かれるかをこちら側から描き尽くすことはできる(あちら側からの観点というのは、わかりようが…

9 『テレプシコーラ』の千花から連想した『アルゴノオト』の井亀あおい

出典:Pixabay 『テレプシコーラ』第1部が完結した。この先、この物語がどのようなふくらみを見せるのか、想像もつかない。山岸凉子は凄い……本当に凄い! 同じ作者の同じバレエ漫画であっても、鋭さの中にも少女漫画らしいあまやかさを持った『アラベスク』…

8 息子の夢と前世のわたし

まだ高校生だった息子がわたしの夢を見たといって、こんな話をしてくれたことがあった。 出典:Pixabay そこは昔のインドか中国かというような土地で、わたしは白い牛に跨り、上半身は裸。どこかへ行こうとしていたそうだ。息子は旅の途中の商人だったとか。…

7 惑星について

出典:Pixabay まだ国際天文学連合(IAU)総会で新定義として提案された段階ではあるけれど、太陽系の惑星が一挙に3つ増えるかもしれないという新聞記事を読み、楽しい気分になった。 その3つの惑星とは、太陽から遠い順からいって、冥王星より大きい「…

6 死者の行動について、ちょっとだけ

出典:Pixabayお盆ということで、帰省しているかたも多いのではないだろうか。 お盆は、死者たちを話題にするにはふさわしい。とはいえ、お盆に、死者たちはどうするのか、どんな行動をとるのかを、わたしは知らない。 わたしが知っているのは、死んだあと初…

5 自己流の危険な断食の思い出

出典:Pixabay 病気のために、外食や弁当に頼ることもしばしばだが、食事というものの重要さは、わたしなりにわかっているつもりだ。というのも、大学生だったときに、自己流の断食を試みたことがあるからで、その体験を通して身に沁みてわかったことがあっ…

4 イエスの弟子マリアについて、ちょっとだけ

ジオット・ディ・ボンドーネ、マルセイユへの旅「マグダラのマリア伝」(マッダレーナ礼拝堂)出典:Wikimedia Commons ダン・バースタイン編「ダ・ヴィンチ・コードの真実」(沖田樹里亜訳、竹書房)を読もうと思っているのだが、イエスの弟子にマリアとい…

3 精神安定剤の思い出

出典:Pixabay 神経症(心因性頻尿)と共に過ごした中・高校時代 悪癖を断つ 神経症になったきっかけ及び高校卒業以降 神経症になったハムスター つらかった時代に没頭した詩作 神経症(心因性頻尿)と共に過ごした中・高校時代 鬱病・パニック障害・境界型…

2 マザコンのバルザック?

出典:Pixabay 母親のことを大層冷たく書くバルザックは、実は自分でも意識していないマザコンだったのではないだろうか。この部分に光を当てた評論は見当たらず、バルザックが母親に与えた評価(酷評)がそのまま罷り通っている。母親宛の書簡から、バルザ…

1 文学賞落選、夢の中のプードル

出典:Pixabay 作家の卵を続けてきて、35年目に入った。処女作は中学1年生のときに書いた『太陽のかがやき』という題名のジュニア小説だった。そのとき、もう作家になった気分でいたものだ。肉体はもう壊れかけているというのに、その気分だけが今もぬくぬく…